蝉の鳴きわめくこの時期。
誰もが汗で、シャツや下着をビショビショにしているのだろう。
そして思うのだ。
「冷たいものが食べたい」
「涼しい場所で休みたい」
誰だって思う。
私だって思う。
しかし外で働く人間は、なかなかそうはいかない。
部屋の中で仕事をするならいい。
しかし外を走り回る人間は、たとえ一時休めてもすぐにまた走り回ることになる。
そんなとき必要なのは、水気と塩分。
そしてエネルギーだ。
がっつり食べて、午後からのエネルギーに変えたい。
今日ご紹介するのは、そんな人のためのラーメン。
ニンニクと背脂と豚骨の一杯。
鹿児島豚骨ラーメン麺屋 剛
店舗名 | 鹿児島豚骨ラーメン 麺屋 剛 | ||
住所 | 〒890-0045 鹿児島県鹿児島市武3丁目6-5(太陽ヘルスセンター1F) | ||
電話番号 | 099-258-0460 | ||
営業時間 | 平日 11時00分〜15時00分(L.O) /日祝 11時00分〜15時00分(ラストオーダー) | ||
平日 18時00分〜21時30分(L.O) /日祝 17時00分〜21時00分(L.O) | |||
定休日 | 不定休 | ||
最寄り駅 | 鹿児島中央駅(東口) | ||
駐車場 | ◎ | 大型 | ✕ |
開店日 |
その看板、剛麺 GOUMEN ¥750(税込)
である。
<どんなお店なの?>
鹿児島市武3丁目。
鹿児島中央駅から、歩いて20分もない場所。
そこにあるコインパーキングに車を停める。
今日も日差しが強い。
冷房を最大にした車内から出るためにドアを開ける。
ムワ……ッ
一瞬で、車内から冷気が逃げ出した。
暑い……。
そんな文句しか出ない。
いっそ、ずっと車の中に居たい。
そんな思いを耐えて、目的地に向かう。
いっそ車の中で食べられるファーストフードでもいい気がしてくる。
しかしそんな思いも、10歩も歩けば忘れてしまう。
ああ。ここからももう、人を誘惑する香りが漂ってくる。
ここにはすでに何度か来ている。
それでも、この香りには抗いがたい魅力がある。
鹿児島豚骨ラーメン 麺屋 剛
今日の昼は、ここだ。
入り口の自動ドアを抜けて、中に入る。
まるでカフェにも見える、小ざっぱりした空間。
しかし漂う香りは、鼻をくすぐるコーヒーのそれではない。
胃袋にガツンッとくる、豚骨の香りだ。
今日は人が少ないようだ。
カウンターに座って、メニューを開く。
さぁ、どれにしようか。
<何があるの?>
大まかに、種類は二つ。
とんこつか味噌か。
サイドメニューやランチもあるが、今日はラーメン一筋の気分だ。
悩むなぁ……。
悩んで……、悩んで……。
よし、と決める。
「すみません。剛麺(とんこつ)ラーメン下さい。あと、野菜盛で」
そう、野菜盛。
正しくは、もやしキャベツ盛(背脂、ニンニク乗せ)である。
この暑い時期、冷たい物も確かにいいだろう。
しかし、たまにはこういったものでスタミナを付けなければバテてしまう。
――そして、腹に溜まる脂は無視することにする。
なに、こういったモノを食べれば、自然に汗が流れる。脂もそれと一緒に落ちるさ。
理論武装も完璧だ。
そう信じる。
「サイズはいかがなさいますか?」
「中盛で」
サイズは初めから決めている。
初めてここで注文したとき、調子に乗って大盛を頼んで失敗したことは今でも覚えている。
どんぶりの表面を、これでもか! と言わんばかりに。
もやしとキャベツとにんにくと背脂が、麺もスープも覆い隠していた。
おかげで、中の麺を食べるためにもやしの山を穴掘りする羽目になった。
同じ失敗はしない。
<どんな味なの?>
やがて、その一杯は運ばれてきた。
豚骨100%のスープを使った一杯。
スープと上に乗せられたにんにくの香りが、胃袋を狂暴に暴れさせる。
――いざっ!
箸を突き刺し、釣り上げる。
中太の、ストレート麺。
煮込まれた豚骨スープが纏わりつき、しかし濃すぎない程度に流れ落ちていく。
それを、ためらわず口の中に放り込む。
……っか~ぁ!
とんこつとニンニク。
そして背脂。
溶けだし、まじりあったそれらが、口の味覚を蹂躙する。
次はもやしだ。
たっぷりとスープにひたして、十分に漬かったらこぼさないように食らいつく。
シャッキリとしたもやしを噛むたび、じわじわとスープが染み渡る。
そして、玉子。
箸で割れば、半熟の黄身がスープに広がった。
スープに混ざりきらないように、麺をくぐらせる。
黄身の甘みとスープの塩分。
ああ、美味い
そうやって味わっていく間に、やがてどんぶりから麺が消えた。
替え玉は?
さて、どうするか。
いや、正直に言おう。
――物足りない。
ならばどうするか?
決まっている。
倍プッシュ(替え玉)だ!
やがてやってきた替え玉は、皿の上に乗せられていた。
かかっているのはネギと……醤油出汁、だろうか?
シンプルだ。
さっそく、スープの中に投入する。
十分に麺を馴染ませて……
うん。美味い。
少しだけ薄くなっているような気もするが、それはそれで食べやすくなっている。
むしろこっちの方が良くないか?
そんな感想を感じながら、二杯目も空にした。
<感想は?>
・とんこつ! ニンニク! 背脂! ジェットストリームアタックだ!!
・香りの暴力! 味の暴力!! スタミナの爆弾!!!
・汝、塩分と脂の暴力と戦える者のみがこの暖簾をくぐるがよい。
・高血圧の方はご遠慮ください。割とマジで。