この時期の鹿児島は、台風の影響もあって湿度も高い。
特に、空の向こうに入道雲が立っている時など最悪だ。
湿度と直射日光が、容赦なく体力と水分を削ってくる。
日が暮れて気温が落ち着くまで、やる気が汗と一緒に流れていく。
それを防ぐためにも、こういう時は水分と燃料となるようなものを腹に入れないといけない。
しかし同時に、疲れと暑さでそういった重い物を腹に収めるのは、非常にしんどいものだ。
そんなとき、食べて欲しい一杯がある。
鹿児島市宇宿のスクエアモールにあるうどん屋、 肉肉うどん 。
この店の看板メニューである 肉肉うどん ――ではない。
今日、ご紹介するのは、まるでサイドメニューのようにさりげなくメニューにあるこっち。
ただの かけ出汁うどん である。
店舗情報
店舗名 | 肉肉うどん 鹿児島宇宿店 | ||
住所 | 〒890-0073 鹿児島県鹿児島市宇宿2丁目2-18 | ||
電話番号 | 099-297-5029 | ||
営業時間 | AM/11:00~ PM/22:00 | ||
定休日 | 無し | ||
最寄り駅 | 指宿枕崎線 宇宿駅 / 鹿児島市電 脇田駅 | ||
駐車場 | ◎ | 大型 | ✕ |
開店日 |
なにがあるの?
どんなお店なの?
鹿児島市宇宿。
ショッピングモール、「スクエアモール 鹿児島宇宿」。
ここの駐車場は、乗用車やワゴン車程度なら普通に停めることができた。
車を降りて、店に向かう。
一階部分。
一番の道路側にある一角に、そのお店はあった。
肉肉うどん。
元々は博多に本店を構える、人気店らしい。
黒を基調とした和風の店構えは、周囲から少し浮いているように見える。
しかしだからこそ、この店を一際『目立たせる』ことに成功しているように見えた。
中に入る。
店の中はカウンターと机。
そして、奥に座敷があった。
注文はどうやら、食券方式のようだ。
パネルを操作して、今日のメニューを選ぶ。
この店の看板である、肉肉うどん(¥690)は捨てがたい。
しかし今日は、あえてこれを選ぶ。
素うどん(¥410) だ
定員に食券を渡し、注文する。
ショウガをどうするか訊かれた。
今回は純粋に素うどんを楽しみたい。という訳で断った。
待っている間、机の上を物色して暇をつぶす。
やはり最初に目に入るのは、コレだろう。
辛いもの好きには魅力的なようだ。
そして、メニュー表。
机に座って落ち着いてメニューを調べたい人への気遣いのようだ。
ニクイことをする。
パラパラとメニューを眺めていると、いくらもしない内に器が運ばれてきた。
やはり素うどん。
用意が迅い。
お味はどう?
肉肉うどんと違って、こちらはスープがキレイな黄金色をしていた。
スープをすくってみる。
――ほぉ!
優しい味だ。
飲みやすい醤油の味が、疲れた胃に染み渡る。
次は、麺。
ズズズズ……ッ。
麺を吸い込む。
ぁあ……っ。これは、強い!
つるつるとした表面のうどん麺は、しっかりと歯応えがする。
だが、決して固いわけではない。
どしん、とした安定感を感じさせる。
なにより、食べやすい。
その一杯を食べ終わるのに、10分もかからなかった。
さて、どうしたものか。
この店。
うどんの替え玉ができる。
一杯、100円だ。
腹には余裕がある。
頼んでみようか。
替え玉は?
食券を買おうと食券機に向かおうとすると、店員が教えてくれた。
どうやら替え玉はわざわざ買いに行かなくても、席で現金で買えるらしい。
便利だ。
なにせ食券機の方を見ると、もう何人か人が並んでいた。
100円を渡して、替え玉を頼んだ。
替え玉は、ほんの二・三分で出てきた。
一緒に、すり下ろしたショウガもセットでついてきた。
サービスらしい。
小さな器の中に入っていたのは、替え玉のうどん麺と出汁のスープ。
替え玉で味が薄まらないようにという、気遣いのようだ。
こういった小さな気遣いは、気付かないときは見逃してしまうが、気付いたときはニヤリとさせられる。
スープだけになっていた器に、出汁ごと替え玉を放り込む。
そして、一口。
……なるほど。
気づいた。
小鉢の替え玉とスープを一緒にしたのは、最初から麺にスープをなじませる意味もあったのか。
特に麺をかき混ぜる必要もなく、器の中をすすっていく。
器の中は、ほどなく空っぽになった。
満腹だ。
スープまで飲み干した器を見下ろす。
うん。やはりコレを頼んで正解だった。